豆さん夫婦は小鳥を飼った経験があまりなかったのに僕を拾ってしまったので、戸惑うことがたくさんありました。
その一つが「爪切り」です。
僕は、リラックスしている時には足の人差し指と中指は伸びるんだけど、たくさんの時間をゲンコツで過ごしています。
ゴリラが歩いている時の前足みたいな感じです。
ひどい時には足の指すべてが後ろに折れてしまって、足首で立ってるみたいになる時もあるんです。
豆さん夫婦はこんな僕の足を保護するために、鳥カゴの床にも皿巣にも柔らかい布を敷いてくれているし、僕はほとんど木の枝に止まることもないので、すぐに爪が伸びてしまうんです。
最初に僕の爪が伸びすぎなんじゃないかと気づいたのはメーさんで、それは僕が拾われて1ヶ月ほど経った6月中旬でした。
伸びた爪が巻き込んで足首を傷つけそうでした。
その頃僕は左目の下も赤く腫れていたので、また車に乗って病院に行くことになりました。
病院は2回目です。
この日もヨッシー先生は優しく僕をつかんで、お尻を眺めたり、翼を広げたりして、それから僕の爪をマジマジと眺めて「結構先まで血管が伸びてるので、ちょっと血が出ちゃうかもしれませんが、なるべくギリギリまで切っておきますね」と言って、工具のニッパーでパチンパチンと僕の爪を切り始めた。
先生は左手の人差し指と中指で僕の首を挟んで、親指と薬指で僕の足の指を挟んで、一本ずつ足の爪を切っていくんだよ。
僕は怖くて暴れたけど、全くヨッシー先生の手からは逃げ出せそうになかった。
少し血が出たけど、そんな時は犬猫の止血薬を僕の足につけてくれた。
爪切りが終わってから体重測定、「13グラム」。
ミルワームもいっぱい食べているのに僕の体重が減っていて、メーさんはガッカリしていた。
赤く腫れた目の縁は、知らない間に何かで引っ掻いたらしくて大したことはないようで、抗生剤の薬をもらって帰りました。