僕はスズメ、人と暮らしています

足の不自由なスズメ の「キリン」と、初めてスズメと暮らすことになった「豆さん夫婦」の試行錯誤な日々を、スズメの目線で綴っています。

豆さん夫婦が驚いた「ホバリングの技」

僕たちスズメは、体が大きな鳥と違ってホバリング(飛びながら空中の一点に止まる技術)ができます。

正確には「細かく前後に飛んでいる」という説もあります。

 

僕はずっと以前、室内放鳥をされていた時、メーさんの手の上のミルワームにつられてメーさんの手に乗って捕まえられて、鳥カゴに戻る毎日を送っていました。

その頃メーさんは僕を自然に返すつもりだったけど「手乗りスズメにしたい」という捨てがたい野心も持っていて、「ワームがあればすぐに手に乗ってくるのだからワームなしでも乗ってくるんじゃないか?」って思って、ワームが手に乗っているようなフリをして僕を誘うことがありました。

僕は「メーさんの手の中が見えるところまで飛んで行って、ホバリングしながら手の中を覗いてみて、手の中にワームがなかったら方向転換して本棚の上に戻る」ことも何回かしました。

豆さん夫婦は「騙されないなぁ....。あははは」と言っていました。

僕は野生のスズメの父さん母さんに育てられたから、警戒心は強いんです。

豆さん夫婦は、僕と心のつながりを大切にしていたので、何回もそんな風に僕を騙すようなことはしなかったです。

 

僕は知らない場所に行くのがとても怖いです。

鳥カゴが知らない場所に移されることも同じです。

 

1年ほど前の夏、僕は一人餌が出来るようになってからは、もっぱら玄関横の部屋で1日を過ごしていていました。

でも時々、2階の窓際や1階の縁側に鳥カゴが移されることがあって、そんな時は「いったいどこに連れて行かれるんだろう!」って、鳥カゴの網に飛びついたり、中で羽ばたいてバタバタしてしまいます。

移動する景色を見慣れてきたら鳥カゴの移動も平気になるのですが、環境の変化には敏感です。

 

ある日、メーさんは鳥カゴをリビングから縁側に持って行こうとしていました。

いつもと同じコースを辿って縁側に向かっていました。

僕はまだ移動に慣れていなかったので、バタバタしていましたが、その日は金網に向かって飛ぶのではなく、移動する鳥カゴの中でホバリングしていたのです。

メーさんはびっくりしていました。

だって、メーさんはメーさんの歩きたいスピードで鳥カゴを持って歩いているのに、僕はそのスピードに合わせて鳥カゴの中の一点で止まっているかのようにホバリングをし続けたんです!

すごいでしょっ!!えっへん!

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夕方になって、マーさんがお仕事から戻ってきたら、メーさんは一番に僕のホバリングの技を話していました。

マーさんは「目視しながら空間の中で自分がいる場所を調整するって、すごい能力だなぁ。」と言ってくれました。

僕は調子に乗って、その後も鳥カゴが移動するときには、時々この技を披露することにしています。うふふふ...