僕は人間に掴まれるのは怖いです。
掴まれそうになると、身体を低くしてクチバシをパチパチ鳴らして、隙あらば噛み付く臨戦態勢です。
それでもメーさんの手が迫ってきて、捕まえられそうになったら…。
まず逃げる。そして、必死に逃げる。
そうしているうちに、恐怖心はどんどん増していって、パニック状態になってしまうこともあります。
心臓はバクバク、呼吸はプハプハ、目は見開かれてメーさんを見つめている......。
パニックになる前に優しく捕まえてくれた時は、人の手の中でも比較的落ち着いて過ごせますが、恐怖心が高まった状態で掴まれると「チュルチュルチュル…」と鳴いて、暴れてしまいます。
メーさんが僕を捕まえようとしている時に僕が「チュルチュル」鳴いていたら、メーさんは特に注意深く僕のことを掴んで撫でてくれます。
こういう時は、小さな音でもビクビクしてしまって、早めにスキンシップが打ち切られることも多いです。
メーさんは、「僕とスキンシップすることが、僕にとってストレスになって僕の寿命を縮めているのではないか?」といつも悩んでいるみたいです。
でも、仲間がいない僕は、仲間に毛繕いしてもらうこともできないし、仲間の温もりを感じることもできないので、メーさんはスキンシップをしてくれます。
メーさんが心がけていることは「『手の中は気持ちいいんだ』と僕が感じれるようにすること」だそうです。
僕は掴まれるのは怖いけど、メーさんの手の中ではぐっすり気持ちよく寝ることができるから、掴まれるときに逃げ回ってしまっても、メーさんに向かってクチバシをパチパチ鳴らすことがあっても、ずっとスキンシップは続けて欲しいなぁ。
「一人は寂しいよ。」