豆さん夫婦は僕と暮らすまで「ミルワーム」という生き物の存在を知らなかったんだって。
ネットで「スズメを育てるならミルワーム」と書いてあったので、僕の健康のためにホームセンターでミルワームを買ってきてくれました。
この家に来て1週間くらい経った頃も、僕はさし餌で「ミルワームの粉末」をゆで卵にまぶして食べていたけど、本物のミルワームを食べたら翌日から羽根の色ツヤがいっぺんに良くなって、豆さん夫婦は感動していました。
「ミルワームは冷蔵庫で保管」と言われていますが、豆さん夫婦は夏以外は常温で保管しています。
というのも、僕が白くて柔らかいミルワームが大好きだからです。
「これはずいぶん大人になってからの写真です。クチバシが真っ黒ですね。」
ミルワームを常温で置いて、キャベツや小松菜の餌をやると、どんどん脱皮して白いミルワームが出てくるみたいです。
夏は昼間は冷蔵庫で保管して、朝夕は部屋の涼しいところに置いて常温に戻してくれるんです。
僕は冷たい食べ物が少し苦手です。
さすがに夏はミルワームがさなぎになってしまうけど、白いさなぎなら僕はへっちゃらで食べられます!
僕が好きな順「白いワーム」→「白いさなぎ」→「柔らかそうな茶ワーム」→→→「硬そうな茶ワーム」
茶色のミルワームしかいない時は仕方なくそれを食べるけど、一口食べたら喉がシャゴシャゴしちゃうことがあって、食べるのをやめようと思うことも多いんだ。
ミルワームも僕が食べようとすると必死で逃げ回るし、豆さん夫婦はそんなミルワームのことも可哀想だと思うらしい。
「食べかけたものはちゃんと最後まで食べないとダメ!」といって、食べるまで僕の目の前でミルワームをヒラヒラさせます。
それでも僕が食べない時は、豆さん夫婦は大きなため息をついて少し僕を睨んで、寂しそうな顔をして去っていきます。