環境が変わっていろんなものが見えると僕は怖くなって暴れてしまいます。
僕がパニックになって怪我をしないように、5日間くらいは空気穴がたくさん開いた真っ暗なダンボール箱の中にいました。
大きさは30cm×30cm×30cmくらいです。
もっと小さくてもよかったのですが、この大きさしかなかったみたいです。
底に新聞紙が敷いてあって、その上に丸めたティッシュがたくさん詰め込まれていました。
僕が寒かったらいけないので、隅の方に1つ使い捨てカイロも入っていました。
(使い捨てカイロは熱を出すときに二酸化炭素を出すらしいので、本当は箱の中に入れるのは良くありません。
「ペットボトルにお湯を入れる」とか「小さな湯たんぽ」の方がいいようです。
僕の場合は、箱が大きかったしたくさん空気穴が空いていたので、問題はありませんでした。)
箱の低いところ(底から5cmくらいの高さ)には、割り箸の止まり木も用意されました。
小鳥さんは、枝に止まらないでいる時間が長くなると、指の力が弱くなって枝に止まれなくなってしまうらしいです。
僕も本当はそこに止まりたかったけど、両足とも足の指を自由に動かせなかった僕は止まり木には止まれなかったから、3日くらいで割り箸の止まり木は無くなりました。
僕は夜はティッシュに頭を突っ込んで寝ていました。
さて、僕はその真っ暗な段ボールの中で怖かったかというとそんなことはなくて、実はかなり快適でした。
だって、僕が「ピーヨピーヨ(お腹空いた!ご飯ちょうだい!)」と大声で叫ぶと、すぐにメーさんが箱を開けて餌をくれたから。
日の出から日没まで、30分おきに僕は大声でメーさんを呼びつけていました。
突然舞い込んできた僕の最初の「餌はメジロの餌」と「ゆで卵」でした。
メーさんは初めは割り箸で餌をくれたけど、その後はピンセットでくれるようになりました。
僕は「巣立ちに失敗した幼鳥」だったから、柔らかい固形物(ゆで卵みたいなもの)も食べられたけど、本当のヒナでさし餌をしないといけない場合は、ホームセンターなどで専用のキットを買ったほうがいいと思います。
ゆで卵は、黄身だけだと喉に詰まってしまうので白身も一緒に食べたし、メジロの餌の中には「ミルワームの粉末」「小松菜の粉末」も混ぜて練り餌になっていたみたいです。
でも僕はメジロの餌はあまり好きじゃなかったから、ほとんどゆで卵ばかり食べていました。
餌を食べると喉の右側にあるソノウがパンパンになって、羽根を押しのけて中が透けて見えるんです。
卵を食べたら黄色くなるし、メジロの餌が多かったらモスグリーンになります。
はじめ豆さん夫婦は「ソノウが破裂しちゃうんじゃないか?」って心配したみたいだけど、ここがいっぱいにならないと空腹なままなんです。
それに、1時間もしないうちにソノウはぺちゃんこになるから大丈夫です。
ヒナの餌は「ソノウがペチャンコになってから与える」という考え方と「ソノウがペチャンコになる前に与える」という二つの考え方があるみたいだけど、豆さん夫婦は僕が大声で呼び始めたら餌を持ってきてくれました。
僕が口を開けると、そのピンセットはいつも僕の口に餌を放り込んでくれる.....だから、今でもそのピンセットを見ると本当のお母さんのクチバシと思ってしまうんです。
僕は小さな体からは考えられないくらいたくさんの餌を食べて、食べたものとほぼ同じようなウンチをたくさんして、豆さん夫婦と暮らし始めました。
足が良くなれば、本当のスズメの父さん母さんと暮らせると思っていました。